感動屋 うる民

感動×感謝×感性

#43 ラーゲリより愛を込めて

ホームシアターf:id:KANDOUYA2023:20240127074807j:image【エピソード】第2次世界大戦終結後。

シベリアにある強制収容所で、過酷な生活を強いたげられてきた日本人捕虜たちは、絶望的な毎日を送っていた。捕虜の中の1人である、「山本幡男」は、いつか帰国できるコトを信じて、周囲の人々をココロから支えて、温かな希望あるコトバで、最後まで未来への希望を捨てない男の実話を描いた映画です。f:id:KANDOUYA2023:20240127201318j:image第二次大戦後の1945年。

零下40度の厳しい冬のシベリア収容所の世界。

わずかな食料での労働が続く過酷の日々。

死に逝く者が続出する地獄の強制収容所ラーゲリ)に、山本幡男は「生きる希望を捨てていけない。帰国(ダモイ)の日は、必ずやって来ます。」絶望する抑留者たちに、彼は訴え続けていきます。f:id:KANDOUYA2023:20240127201343j:image身に覚えのないスパイ容疑で、ラーゲリに収容された山本は、日本にいる妻のモジミさん、(※北川景子)と4人の子どもたちと一緒に過ごす日々が訪れるコトを信じ、耐え続けていく。

劣悪な環境下では、誰もがココロを閉ざしている。

戦争でココロに傷を負い傍観者と決め込む松田。旧日本軍の階級を振りかざす軍曹の相沢。クロという子犬を可愛がる純朴な青年の新谷。

過酷な状況で、変わり果ててしまった同じ故郷の先輩である原。

山本は、分け隔てなく皆を励まし続けた。

そんな彼の仲間想いの行動と信念は、凍っていた抑留者たちのココロを次第に溶かしていく。

「生きる」意味や「生きがい」を考えるコトはあっても、「生きる」そのモノについて考えるコトはあんまりないのではと感じさせる、山本さんのコトバの数々に、考えさせられました。f:id:KANDOUYA2023:20240127201417j:image山本さんが「生きる希望を捨てないで下さい!」「希望が無くても生き続けるんです‼︎」と投げかけるシーンが何度もありました。

過酷なラーゲリでの生活において、希望を持ち続けるのは想像もつかない程、辛く苦しいコトではないだろうかと思います。

この映画で、「生きる」というコトバの一つの対義語には、「死ぬ」コトを意味しております。もう一つは、「人間としてココロを持って生きる」というコトを考えさせられました。

戦禍で残虐なコトを強いられる。悲惨な状況を目の当たりにする中で、ココロを殺し、人間として生きるコトを諦めた人たちに向けたコトバでもありました。f:id:KANDOUYA2023:20240127201529j:image山本さんが発する「生きるのをやめないで下さい」って言うコトバも、希望が無いという理由で自死を選ばないで下さいって直接的な意味と、自分のココロを持って、自分の人生を生きて下さいとの両方の意味で受取るコトもできます。

「ただただ、生きてるだけじゃダメなんだ」って松田さん(※松坂桃李)が言うシーンもありました。

単純に死なないだけ、ただ命を繋いでいるだけでは、「生きてる」コトにはならないってとの厳しく考えさせられる発言。

遺書の届け方に、想い溢れるメッセージ。
感動が止まらない、そして切なく、何も言えない、もどかしさ遺書の内容の伝達。

遺書を書いた山本さんから、遺書を受取ったモジミさんと通じ合う(信じ合う)ラブストーリーは、見るモノを切なく、それでいてココロを震わす想いが溢れてきます。

現地シベリアで雪が溶けて冬が終わる直接的な意味が込めらた、「春(帰国の日=希望)」が訪れるという想いが、遺書に込められているのではないだろうか。

歌詞の一部に、「繰り返してる春」というのが後にでてくる、帰国の日を思いながらも、「シベリアで11年」も冬を越してる事実とも重なっていく。f:id:KANDOUYA2023:20240127201550j:image山本さんの遺書、仲間たちがダモイ(帰国)した時に、家族に届けると約束を誓う。

収容所から紙に書いたモノを持ち出すのは、スパイ行為となり、さらに25年の抑留になる。

そこで考えついたのが、皆んなで分担して暗記をするコトを思いつき実践する。

7人の仲間が山本さんの遺書を暗記するコトを計画。
それから歳月が過ぎ去り、1955年4月18日。

記憶で運ばれた最初の「遺書」が、妻のモジミさんに伝えられる。

また10日後には、第二便の遺書が届けられる。第三便、第四便、第五便、と続いていき、最後の遺書が届いたのは、1986年です。

母へ、妻へ、子ども等へ、宛てた遺書の内容は、今の時代の警笛を鳴らすかのような、家族関係に大きな示唆を与える部分を感じる。f:id:KANDOUYA2023:20240127201550j:imageこれからの日本を担う、子どもや関わる大人たちへのメッセージ(想い)は、過去からの想いを未来に繋ぐ、「ラーゲリより愛を込めて」との深い愛が溢れる感動の映画でした。

 

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